ダラデヴィ・チェンマイは昔の「都市づくり」を基本コンセプトにしており、都市を取り巻く濠に見立てた小川が流れ、城壁、城門に囲まれた城壁都市(集落の集合)を再現しています。ゲートを超えると又ゲートがありますが、それはまさに城門です。城門をくぐり、いよいよダラデヴィの風景が目の前に広がります。多目的スペースの芝生の広場、王宮寺院をイメージした仏教の礼拝堂、その奥には都市の中心である王宮を思わせるデヴァ・スパの建物があります。このタイ北部の巧みの技を集約したようなデヴァ・スパに関しては後ほどまた。かつて見た光景であるにも関わらず、前方にそびえる寺院としか思えないようなロビー棟の美しさと荘厳さに目を奪われました。いよいよ敷地面積24万2千㎡(東京ドーム5つ分)のダイナミックなリゾート体験の始まりです。

この広大な敷地の移動に用意されているのは、ゴルフカート、馬車、そして自転車。自由に好きな時間に動き回るには自転車が最も便利ですが、バトラーに電話を入れれば、さほど待たされることなくカートのお迎えが来てくれます。客室はコロニアル・スイート、ヴィラ、レジデンスの3種類で合計123室。メインロビーの後方に、緑あふれるガーデンを囲むように立つ5つの建物に54室のコロニアル・スイートがあります。ダラデヴィ・チェンマイのエントリーレベルの客室がコロニアル・スイートで、80㎡の広さを有するともなれば、誰しも驚くことでしょう。19世紀にタイ北部に住み始めたイギリス人の建物がコロニアル・スイートのモデルとなっており、中国のショップハウスの影響も見られるデザインです。天井が高く、チーク材、大理石、タイシルクを贅沢にあしらった内装は贅を尽くしています。大型のテラスから望むガーデンの樹木の枝に時折リスの姿も見えました。スイートの中で煎れたコーヒーや冷蔵庫から取り出したタイのビールをその都度テラスに運びゆっくり楽しみたくなるのは私だけでは無いでしょう。蛇足ですが、デラックス・コロニアル・スイートのカテゴリーでは、冷蔵庫の中のソフトドリンクがすべて無料との説明を受けました。でも、有料でもソフトドリンクよりビールが飲みたいと希望を伝えたところ、即冷蔵庫にビールが運ばれ,朝はテラスでコーヒー、午後はテラスでビールという快適なルーティーンができあがりました。リゾートはこれじゃないとね!

コロニアル・スイートの広々としたバスルームには、大型のジェットバスが備えられていますが、そのバスタブにはライトが内蔵されており、ピンク、ブルー、グリーン、パープルとバスタブのお湯の色が変化してゆき、カラフルなジャクージ体験が楽しめます。ちょっとした遊び心ですね。

そして、ダラデヴィのハイライトとも言えるヴィラ。ランナー王朝時代の古民家をモデルにしたチーク造りの2階建てのヴィラは、ダラデヴィ・チェンマイの中心部に広がる棚田のライステラスを望む位置に点在しています。広大な敷地のほぼ半分がヴィラのエリアで、大きな棚田はノースフィールドとサウスフィールドに分かれています。ヴィラから望む田園風景はまさに本物で、土を耕す水牛も、水田の草むしりをしているスタッフも本気です。ダラデヴィ・チェンマイで収穫される餅米は近隣の寺院に納められているそうです。各ヴィラは1階にリビングルームと屋外テラス、2階にベッドルーム、ウォークイン・クローゼット、シャワールーム、円形のジェットバスを備え、ヴィラのジェットバスもカラフルなライト付き。64戸のヴィラには、プランジプール、ジャクージ、スイミングプール、東屋などを備える様々なタイプがあります。このヴィラの屋外テラスから水車が回る田園風景を眺めていると、チェンマイ市内、しかも中心地から10分ほどの所にいるとは到底思えず、ランナー王朝時代の集落にタイムスリップしたような気分で、時間がゆっくりと流れてゆくように感じます。ノースフィールドの田園に隣接したヴィラ エリアのメインプール、ロイカム・プールはデザインが凝っていて美しく、軽食も楽しめるプールサイドのバーとプールで終日過ごしたくなる場所でした。残念ながら、今回の滞在では数分の見学だけで終わってしまいましたが・・・。



ダラデヴィ・チェンマイ ・・・ 後編


ダラデヴィ・チェンマイ

Dhara Dhevi Chiang Mai

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