ロビーもホテルっぽくなく、邸宅の居間といったたたずまい。こぢんまりとしたこの手のロビーでは、人々が待ち合わせ場所に利用することもなく、実に居心地がよく、安心感を与えてくれます。そのロビーの正面奧にあるのが、「カット」レストランです。ウルフギャング・パック氏がアメリカで展開する最高級熟成ステーキの老舗「カット」がヨーロッパ初進出の記念すべき店舗です。彼はアメリカ全土に約20店の高級レストランを展開しており、そのワシントン店はオバマ大統領がミシェル夫人のバースデー・ディナーにチョイスした場所としても知られ、まさにセレブリティ・シェフです。日本でも熟成肉がにわかにブームになっていますが、実は草食系というか魚介食系の私は,初めて熟成肉を体験。確かに凝縮されたうまみと風味は素晴らしかった。ロンドンの人気レストランの一つで、金曜日は2回転するほど予約殺到状態でした。カットはディナーオンリーの営業ですが、45パークレーンの朝食はここでいただきます。自然光がたっぷり注がれる昼間のカットは、夜のきらびやかな雰囲気とは打って変わって、ホーミーな心地よさが漂っていました。

45パークレーンは、ザ・ドーチェスターのドーチェスター・スイート同様に、ティエリー・デスポンがデザインしました。メイフェアという高級住宅地にふさわしい、レジデンシャルな雰囲気に加え、現代風のアールデコ、最先端技術を取り入れた客室内の設備が見事に調和した居心地のよい空間を提供しています。特筆すべきは、45室すべての客室からハイドパークが望めること。ロンドン、パリ、ミラノ、ジュネーブ、ビバリーヒルズなどで、伝統と格式を重んじる最高級ホテルを展開するドーチェスター・コレクションの新しい顔とも言えるでしょう。 その45パークレーンの最高級スイート、パークレーン・ スイートをご紹介します。最上階のパークレーン・スイートは、ハイドパークを目の前に望む大型のテラスに囲まれており、ここでプライベートパーティーを開催するアラブの王子達の姿が思い描かれます。テラスにてロマンティックなプライベートディナーをセットして、プロポーズ大作戦を繰り広げる富豪もいるでしょう。リビングルームでは、毎日のように数億円規模のビジネスディールが決まっているかもしれません。そんな想像をかき立ててくれる豪華なスイートは、派手すぎず、地味すぎず、見事なまでのレジデンス風居心地の良さを追求しています。





45 パークレーン、ロンドン

45 Park Lane, London

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カットのすぐ横にある階段を上がったところには、バー45があります。このホテルのオープン以来、バー45は、ロンドンの人気スポットの一つとして、毎晩賑わっています。バー45には彫刻家、ジュリアン・マリネッティの作品や、LOVEの彫刻作品で有名なロバート・インディアナの作品などが展示されていました。宿泊当時(2014年11月)には、ロバート・インディアナの真っ赤なLOVEのオブジェがホテルの正面玄関にも設置されており、季節ごとに様々なアーティストとのコラボレーションを展開しているとのこと。バー45のシグニチャーカクテル「Smoke & Mirrors’」(写真左)をテイスティングしました。ラプサン・スーチョン(紅茶の一種)、グレンフィディックの12年物、ドランブイ(モルトウィスキー・ベースのリキュール)、チェリーリキュール、レモンで作られた人気のカクテルです。