インカ帝国時代の首都で、四方を山に囲まれたクスコは、「カミソリの刃も通さない」と言われるインカ独特の石組みによる濃厚な建物や、黄金や宝石の装飾がまばゆい、歴代インカ皇帝の宮殿などが残されている古い町です。1532年にスペイン人によりインカ帝国は滅亡し、スペイン式の町作りが始まりますが、インカの石組みは堅固、精密で取り壊すことができず、インカの石組みの上に建造せざるを得なかったそうです。そのインカ時代の遺跡はクスコ周辺にいくつも点在していて、その多くがまだ発掘されていないそうです。今回見学したサクサイワマンの砦やプカプカラの遺跡に沸く疑問はただひとつ・・ありきたりですが・・「どうやって作ったのか?」「その技術はどこから?」などなどで、ガイドさんからの説明を聞くたびに「へ〜ぇ」と感心するばかりです。

クスコの中心はスペインの植民地時代の第一歩として作られた「アルマス広場」。その周囲にはインカ時代の神殿を取り壊し、その上に建てられた「カテドラル」、周囲を囲む精巧な石積みが美しい「宗教美術博物館」、インカ時代の宮殿の跡地に建てられたファサードが美しい「ラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会」、かつては太陽の神殿として君臨していて、いまだに土台の石組みが残されている「サント・ドミンゴ教会」、インカ人の石細工に対する技術力の高さを示す「12角の石」など、見所が集中しています。そのどれもが、今日ではインカ時代と後に征服したスペインの文化が見事に融合し美しく華麗な佇まいを見せています。

そんな見所満載のクスコの中心地の一角にあるのが、インカ帝国時代の宮殿跡地に建てられた、ルネッサンス建築の影響を受けたクスコで最高級のホテ「ル・モナステリオ」です。このオリエント・エクスプレスのホテルは、1592年に建てられた修道院を改装した建物で、荘厳な礼拝堂は今も残されています。ロの字型の建物は、内側の美しいパティオ(庭園)を回廊が囲み、各回廊には大型の肖像画が数多く飾られています。

レストランは中庭を望む日系シェフ、マリアーノ・タキナミ氏による「Illariy Restaurant」と、豊富な種類の朝食ビュッフェが美味しい、かつて修道僧たちの食堂として利用されていた「El Tupay」。ペルー料理は、想像していたより食べやすく、美味しかった。ペルーでは、アルパカやクイ(食用モルモットの一種)を使った料理も有名ですが・・今回はちょっと遠慮させていただきました・・!

客室はどの部屋も派手な装飾ではありませんが、心地よい色合いの落ち着いた内装。何よりも嬉しいのは、各部屋の空調から排出される酸素です。3,300メートルを超える高地での高山病対策は酸素が一番。もちろん、十分な睡眠や食べ過ぎない、飲み過ぎないことは忘れずに。それでも頭痛や吐き気などの症状が出たら、酸素ボンベで集中的な酸素吸入を。ちょっと怪しげな様子に見えますが、かなりの効果があります。

小高い丘がクスコの町を囲み、その丘に点在するスペイン式の住居は建物と屋根の色が統一されておりとても美しい景観を造り出しています。町中でも、町を見下ろす丘の上でも、アルパカの姿を頻繁に見かけます。アンデスの民族衣装の子供や老女が連れており、観光客は競って一緒に写真を撮りますが・・・それが彼女たちの仕事。欠かさずチップの要求があり、あぁ、そういうシステムなのね、と納得。学校に行くべき時間に子供に稼がせていいのか?これが負の構造を作ってしまうのでは?と疑問を感じながらも、システムを壊すこともできず、ちょっと複雑な心境ながら、アルパカとのツーショットを楽しんでいる私でした。


Part 2 へ続く・・・



Hotel Monasterio, Cuzco

ホテル・モナステリオ、クスコ

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